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栞の家に着くと、Tシャツとロングスカートに着替えた栞が出迎えてくれた。シャンプーの香りに気付いて鼻を鳴らすと、栞が恥ずかしそうに俯いた。
「すごく汗かいたから、どうしてもシャワーを浴びたくて・・・」
ごめんなさい。栞のお母さん。
何となく謝りたい気持ちになりながら、栞に口付けた。
「私の部屋に・・・行こ?」
息が切れたような声で、栞が言った。自分の肌が熱を持つのを感じた。栞に確認することも出来ないまま、ベッドに腰掛けて長く唇を重ねた。
「三日目は、・・・どうするんだっけ?」
漸くという感じで目蓋を上げた栞が、俺に尋ねる。奥二重の瞳は今は俺には妖艶にしか見えない。
「服を全部脱いで触れあう。でも、下着で隠す場所には触れない。キスはOKだけど、俺がいつもしたくなるような深いのは駄目。明日までお預け」
「・・・分かった」
「怖い?」
「少しだけ」
「じゃあ、俺が脱がせるのと自分で脱ぐのと、どっちがいい?」
「・・・っ!!」
栞が迷っている間に、俺は上だけ全部脱いだ。下は…脱げない。脱ぐわけにいかない状況だ。
「できるところまで、…自分で脱ぐ」
俺をちらりと見て、栞は言った。
「あっち向いてくれる?」
どこまで脱ぐつもりなんだろう?なんて考えてはいけない。なるべく、心を無にして待った。
「もういいよ」
栞はタオルケットを、肩まで引き上げて座っていた。
「触れて良い?」
「聞かないでってば。・・・恥ずかしいから。そうして欲しくて、待ってるんだから」
赤い顔で、俯きがちに言うセリフはすんごい破壊力だ。
なるべく乱暴にならないように、唇を重ねた。顔が見えないくらい近付けば、少しは恥ずかしさも紛れる。肩を抱き寄せようとすると、素肌に触れた。背中に手を回すと、硬い布の感触以外、柔らかな栞の肌を感じた。タオルケットが腰の辺りに落ちて、下着しか身に付けていない栞を優しく抱き締めた。
「ありがと。勇気出してくれて」
「・・・勇気なのかな?分からない。ただ、陽平と同じくらい、私・・・」
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