17 relation Ⅱ

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 その夜、俺はなぜかぐっすり眠ることが出来た。  翌朝も目覚めは爽やか。部活は暑さ対策のため早朝から始まり、11時には終わった。帰ってシャワーを浴び食事を取り、今日も涼しい図書館で勉強しながら栞の連絡を待つ。でも、1時になっても、2時になっても連絡がない。  心配になってLINEを送った。 “どうした?何かあった?”  すぐに返信が来た。 “ごめん” “無事なら良いんだ。今どこ?” “家にいる。ごめん”  どうしたんだろう?もしかして、不安になったのかな? “電話して良い?”  返信がないかわりに、着信を知らせる表示。急いで通話が可能な場所に移動した。 「栞、どうした?大丈夫か?」 「うん。ごめん。連絡しなくて」 「何かあった?」 「・・・ううん」 「俺のことなら気にするなよ?」 「違う。陽平じゃないの。私が・・・」 「体調悪いのか?」  あっ、と思った。もしかして、・・・あれでできなくなった?それなら仕方ないよな。言えなくて困ってたら、それは可哀想だ。 「違う。違うけど・・・私陽平にっ」  なんか様子がおかしい。どうしたんだろう? 「栞、何にもしないから今から顔見に行って良いか?直接なら言えることもあるだろ?」 「・・・私、陽平に嫌われたくない」 「そんなことあるわけないよ」  ここがホールだということを忘れて、大声を出すところだった。 「ごめん。今図書館にいるから思うように話せないんだ。すぐ行くから。待ってて」 「・・・わかった」  いつも以上に自転車を飛ばし、栞の家に向かった。チャイムを鳴らすと、栞は出てきたけれど、目は合わせてくれない。今日は少しゆったりしたワンピースを着ていた。 「良かった。何かあったかと思った」  栞は首を振る。 「お母さんも問題ないんだよね?」  栞は俯いたまま頷く。 「お父さんも平気だよな?」  栞は変わらず頷く。 「じゃ、何があった?」 「私・・・。どうしよう?」 「・・・栞?」  顔を覆った栞は戸惑っているみたいだった。 「俺、上がっていいか?」 「ほんとに、私のこと嫌だって・・・思わないなら」 「約束する。絶対いやにならない。それより、心配なんだ」 「もう、どうして良いかわからなくて」  いったい何があったんだろう?  栞の目蓋は泣いていたのか、赤く腫れぼったい。明らかに様子がおかしい。 「栞の部屋でも良い?」 「…うん。今日はずっと部屋にいたから。下は暑いと思う」  すぐに、栞の部屋に移動した。ベッドに座った栞を前に、机の椅子に座って話した。 「学校、行かなかったのか?」 「休んだ」  一体どうしたんだろう? 「平気なの?」 「今日から3日間は質問と自習の設定だから、欠席連絡も要らないの」 「ふーん」 「昨日までは、ちゃんと出るつもりだったけど」
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