17 relation Ⅱ

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 手で触れて、少しずつ体を開いていく。全く痛みがなくなることはないんだろうけれど、少しでも軽減してあげたかった。 「私は…何もしなくていいの?」 「いいよ。ただリラックスして。気持ちよくなって」 「…気持ち、いいよ」  自然に洩らした言葉に、鷲掴みにされた気分だ。  もう、いいだろう。 「栞、力抜いてて」  俺だって、不安はある。傷つけたらどうしようとか、うまくいかなかったらどうしようって。  でも、それよりも繋がりたかった。早く一つになりたかった。  少しずつ体を沈めていく。唇を噛み締める栞が、何を耐えているかわからない。 「痛い?」 「…少し」  眉根を寄せているから、少しじゃないのかもしれない。  眉根に唇で触れた。 「何?」 「しわ」  栞が、ぷはっと笑った。栞の体の緊張が解けて、また少し深く繋がった。 「あと半分かな」 「半分!?」 「それは、どういう意味?」  少し俺の声が苛立ちを含んだものになって、我ながらおかしい。 「だって、こんな体中・・・一杯なのに、まだ半分って」 「栞、ちょっ待って。」 「え?」 「その台詞、刺激強すぎ」 「…んっ」 「何?どうした?」  尋ねる俺の声もかすれた。 「今、大きくなった…気がする」 「栞⎯⎯」  そのままキスを繰り返しながら、体に触れ続けた。繋がりを少しずつ深めて、ようやく完全に繋がった。 「…大丈夫か?」 「うん。…少し慣れてきた。陽平が優しかったから、平気」 「栞のそれ、天然?」 「それって?」 「俺のこと喜ばせるようなこと言うの」 「だって、陽平が言ったんだよ?素直にって。嫌ならもう言わない」 「ごめん。嫌なわけない。嬉しすぎて」 「私も嬉しい。陽平のものになれて」 ⎯⎯情けない。もう、ダメだ。不意に体が震えた。 「栞、ごめん。一旦、離れるよ?」 「…?」 「子供はまだ早いから。ちゃんとしないと」 「・・・うん」  俺がごそごそしている間、何度か栞は目元に触れていた。泣いたんだろうか? 「栞、大丈夫?痛かった?」 「儀式はまだあるんでしょ?」 「30分さっきみたいにするんだ。その後ゆっくり…」 「ゆっくり?」 「愛し合うんだって」 「今以上に何するの?」 「してみないと、わからない」 「嘘。知ってるでしょ?」 「想像と現実は違うから。知ってるとは言えない」  俺の言葉を聞いた栞が、真剣な表情になった。 「こんなに栞が欲しいって思うなんて、自分でも思わなかった。満足と渇望が同時にやって来るって言ったらわかる?」 「よく、わかる。・・・わかるよ、陽平」  そう言って、栞は俺を抱き締めた。
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