私の母は、過保護です。

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 私が見送る表くんの背中が、徐々に小さくなっていった。  と、思ったら、また背中が徐々に大きくなってきた。  いや、こっちを向いて歩いているから、正確には背中じゃなくてお腹か。お腹が徐々に大きくなってきた。……それ、太ったみたいじゃんか。  そんなことはどうでもいい。一体どうしたのだろうか。 「どうしたの?」  私の小さな声がぎりぎり届くくらいの距離まで表くんが来た時、私は聞いた。 「本当に俺が帰ると思った?」 「え? 思ったけど……」 「か弱いお嬢さま一人残して帰れるわけないだろ」 「か、か弱いお嬢さまって……私のことバカにしてるでしょ」 「まあまあそんなカリカリするなって。幼馴染なんだから」  幼馴染ではない。家が少し近いだけだ。  しかし表くんとの会話で不安が和らいだのは事実だ。そこまで言及するのはやめておこう。
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