私の母は、過保護です。

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「てか、お母さんに電話でもしたらどうだ?」 「あ、確かに」 「確かにって、普通一番最初にそれ考えるだろ」  何も言い返せない。ごもっともだからだ。  その考えに至らなかった私が愚かだった。いや、違う。これは、あれだ。こういう風に育てた母が悪いんだ。いや、こういう風に育てたのは父か。全く売れていないのに廃人……間違えた、俳人とか名乗っている父は、のんきに家の小さい庭を眺めて、句を読んでいる。どうせ、『この世をば』とか言っているのだろう、藤原だけに。全く、井の中の蛙もいいところだ。そうなると、やっぱりそんな父に惚れた母も悪い。よって、私がこうなってしまったのは、父と母、どちらも悪い。Q.E.D. 「固まってないで、早く電話しろ。もしかして、お母さんの電話番号すら分からないとか?」  表くんの言葉で、我に返る。 「流石にそんなことない」  夜が顔を出し始めている。私は急いで電話した。
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