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「神経調節性失神」。
入院先の病院でそう言われたそうだ。
このタイプの失神は心身の機能を調節する自律神経が大きく関係しているらしい。
交感神経と副交感神経のバランスが悪くなることで血圧が低下したり、脈が遅くなったり、あるいは両者が起こって失神に至る。
後遺症を残さない疾患らしいが、再発するケースも多いので、この機会に精密検査を受けることにしたと説明された。
日常の緊張や積もったストレスが原因だということも大いに考えられる。
落ち込んでいる理由を探すよりも、笑実の心のケアが先だったはずなのに――。
まずは笑実に会って顔が見たかった。
だが、しばらく心身を休ませたいから、と佐竹さんに面会を止められてしまった。
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