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それからしばらく笑実のSNSの事が頭から離れなかった。他に理由が見つからなかったということもあるが、笑実を非難するコメントがどうも引っ掛かっていた。
近いうちに笑実のマネージャーに連絡を入れようと思っていた矢先、テレビ局の廊下でばったりと笑実に出くわした。
「おおっ!」
「おはようございます⋯⋯」
笑実はすぐに俺から目を逸らす。
心を覗かれては困ることでもあるのだろうか。
彼女の隣にいた佐竹さんに会釈をして、「すみませんがちょっとだけお時間もらってもいいですか?」と言うと、笑実は「私?」と戸惑いの反応をする。
「あぁ、違うの。ちょっと佐竹さんに話があって。佐竹さん、すみません」
「はい、ええ」
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