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甥っ子のカズ君がリビングの窓から恨めしそうに、ジーッと外を見つめている。
私も外に目をやると、青紫色の紫陽花が満開に咲き誇り、しとしとと振る雨が石の灯籠を濡らして、中々風情のある庭になっていた。
しかし、元気盛りの三歳児には風情なんてどうでもいいらしい。雨の日は退屈でしかない。外に出たくてウズウズしている。
とうとう、
「カズ君、お外に出たいよー!」
とグズリ始めた。
パパである弟は日頃の疲れが溜まっているのか、ソファで爆睡。義妹のママは、カズ君の二つ下の弟、ユウ君のお世話でてんてこ舞いだ。両親は買い出し中。
動けるのは私だけしかいない。
私は一つため息を吐いて、
「カズ君、ひかりお姉ちゃんと一緒にお散歩に行こうか」
と声をかけた。
カズ君はニンマリして、
「いいよ~!」
と答えた。
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