招き猫と月見うどん

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「ねえ、『招き猫の日』って知ってる?」 「知らないけど?」 「九月二十九日の事よ」 「どうしてだい?」 「招き猫って福を呼ぶって言うじゃない? だから、来る福っていうことで、来るに九を、福は二つに分けて、ふに二を、くに九を当てはめたのよ」 「な~んだ、ごろ合わせかよ。もっと深い由来があるのかと思ったよ」 「じゃあさ、『月見うどん』って知ってる?」 「オレの好きなヤツだ」 「そうじゃなくって、別の意味」 「どうせまた、ごろ合わせなんだろう?」 「聞きたい?」 「良いよ、聞かせてくれよ」 「月見ってね、『to 君』って言うの」 「何だ、今度は英語と日本語のごろ合わせかよ」 「で、うどんなんだけど、英語でなんて言うか知ってる?」 「え~と、ヌードルだったっけ?」 「そう、正解。なので、うどんはヌードル。つまり、『ヌードる』って言うことなのよ」 「それって、つまり……」 「そうよ、月見うどんって『to 君 ヌードる』、つまり、わたしはあなたに裸を見せてあげるってことよ」 「じゃあ、オレも月見うどんだ! ……でも月見うどんだけじゃ、済まないよ……」 「まぁ、うふふ……」
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