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きっと……いつか勇者さん達は動かなくなる。
だって、魔王を倒したら、やることも、目的も無くなって、誰も居なくなるから。
そうなったら話せるかな?
近付いても良いかな?
もしかすると、「自分」を持っているのは、私だけじゃないのかもしれない。
そしたら、勇者さんも?
「……そんなわけ無いか。」
何時も楽しそうだった。武器屋で色々吟味している、戦士……近くのレストランで女子同士、楽しそうに笑顔で話している僧侶と魔法使い。
そして、幼なじみと仲良さそうに、抱き締め合う勇者さん。
その何れもが、ガラス越しでしか見えなかった。そんな生活が、日常が、羨ましくて、私もそんな人生を謳歌したくて……。
指をくわえて見ていることしか出来なかったんだ。
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