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ひろみがいないこの状況は、何だかキャンプにでも来たようなワクワク感があった。
三姉妹もどこかソワソワしているような、張り切っているような様子である。
「さあ、早めに晩ごはん食べるか」
「パパ、シート敷いて床で食べていい?」
桃が足にしがみついて見上げてくる。
そう言えばひろみが時々そうしてるって言ってたかな。
家でもピクニック気分になれて楽しいらしい。
でも今はちょっと面倒だな。
「明日からパパ一週間もお休みだから、また今度やろうな」
「えーっ」
口を尖らせる桃に桜が寄って、「パパだから仕方ないでしょ」と声をかけている。
むっ。何だか、パパだから仕方ないとか言われると嫌な気もする。
「わかった、明日やろう! 明日の夜な!」
「本当に? やったあ! 約束ね!」
桃はにっこり笑顔になって、それで納得したようだ。
ふう、ひとまずこの場を切り抜けられたか。
たけしは、やっぱり少し面倒だなと思いつつも、子どもの扱いなんて簡単だなとも思う。
ひろみの用意したご飯を食べようとダイニングの机を見ると、なにやらスケジュール表のような紙が置いてあった。
たけしは、また紙かよ、と思う。そんなに心配しなくてもいいのに。
それを端によけて、ご飯を食べる。
ご飯の後はみんなでお風呂に入った。
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