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それから、やっと自分の朝食だ。
たけしも『神様籠』から選んだスープに湯を注ぎ、ご飯と箸を用意して机に座ると、『毎日すること』の紙が目に留まった。
洗濯の項目。
はいはい、わかったよ。
仕事が後に回るのも自由な時間が減る気がするので、とりあえず洗濯機を回しておこうと、再度立ち上がる。
ええと、洗剤は……柔軟剤はどこだ?
洗濯機と格闘中、二階から泣き声が聞こえてきた。花が起きたのだ。
「花、何食べたい?」
重くなったオムツを脱がせながらきく。
「たまごごはん」
そうか、ひろみが言っていた、花は今『たまごごはんブーム』なのだ。
「よし、パパが作ってやるぞ」
キティちゃんパンツを手に取りながら応える。
パンツを履かせようとした手をふと止めてたけしは思った。
いや、まてよ、ここはもう一度オムツにしておこう。そうすればトイレに連れて行く手間が省ける。
キティちゃんパンツを戻し、新しいオムツを履かせる。ついでに着替えも済ませておこう。
花に『たまごごはん』を作って食べさせている間に、たけしはすっかり冷めきったご飯とスープをかきこんだ。
「パパ、遊ぼう!」
花がニカッと笑う。
せっかくパジャマから着替えさせたのに、花の服はすでに『たまごごはん』でぐちゃぐちゃになっていた。
明日からは、朝ごはんの後に着替えだな。
たけしはため息をついた。
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