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たけしはやっと蓋を閉めた弁当箱を片手に、弁当を入れる袋を探していた。
と、机の上のコップに手を伸ばす三女の花が視界に入る。
中には桃が飲み残した牛乳がまだ半分以上。
まずい、背の低い花がコップを取ると斜めになって、十中八九こぼれる。
「は、花、ストップ!」
たけしの声に驚いたせいで、よけいに花は不安定になる。
たけしはとっさにコップに手を伸ばした。
反対の手には弁当箱。
花の手には傾くコップ。
こぼれかける牛乳。
たけしはとっさに弁当箱の方を守った。
直後、カシャーンとプラスチックの乾いた音が響く。
思わずギュッと目を閉じたたけしのパジャマの左足を、牛乳が濡らした
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