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あたしは、じーじにも、おおじーじにもおおばーばにも会ったことがない。
あたしの知ってるじーじたちは、写真の中にいる。
みんなちょっと怖そうで、もし会っても、あたしは上手におしゃべり出来ないかもしれない。
そんなことを思いながら、じーじたちの写真を眺めていると、ママとばーばがお部屋へやって来た。
手には、まだお料理していない、きゅうりとナス。それから変なもじゃもじゃも見える。
「ママ、きゅうりとナスどうしたの? お台所に持って行かなくていいの?」
あたしの問いかけに、ママもばーばもクスクスと可笑しそうに笑う。
「これはね、ご飯には使わないのよ」
そう言って、ママは、きゅうりとナスを、あたしの目の前に差し出す。
ママの持ってきた、きゅうりとナスには、それぞれ4本の足が生えていた。きゅうりには、もじゃもじゃのしっぽまで生えている。
あたしが、目をまん丸にして見ていると、パパが、ママの手から、きゅうりをヒョイっと取り上げた。
「は〜! 上手いもんだな。立派な馬だ。この尻尾がいい。なんだこれ? とうもろこしのヒゲか?」
「そうよ。こっちもなかなかよ」
ママは、なんだか、自信満々にナスもパパに渡す。
「おお〜! ズングリ感が良いな。この牛」
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