じーじのトラック

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 ママとパパは、きゅうりとナスを見ながら、ワイワイと騒いでいる。  あたしは、ママたちのお話の意味が分からず、ばーばのエプロンを引っ張った。 「ねぇ。ばーば、どこに、牛さんやお馬さんがいるの?」  ばーばは、可笑しそうに、あたしの顔を覗き込みながら教えてくれた。 「あの、きゅうりがお馬さんで、ナスが牛さんだよ」  あたしは、ばーばの言っていることが分からず、首を傾げる。  ばーばは、パパから、きゅうりとナスを受け取ると、あたしを隣に座らせて、自分も畳に膝をついた。 「ほら、どお? お馬さんと牛さんに見えるでしょ?」  ばーばは、そう言いながら、緑の草をいっぱい束ねたものの上に、きゅうりとナスをそっと置いた。  あたしは、もっとよく見ようと、それに顔を近づける。すると、さっきばーばにギュッとされた時と同じ匂いがした。 「今年は、随分と立派な笹舟ですね?」 「ええ。今年は、裏山の若笹がよく茂っててね。欲張っちゃったわ」  ふふっと、ばーばは、笑う。 「ねぇ、ばーば? これ、お船なの? ばーばが作ったの?」 「そうだよ」 「このお船、おうちのプールで浮く?」  あたしの質問に、ばーばはちょっとびっくりしたみたい。  お口をポカンと開けている。
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