じーじのトラック

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「ばーば。ただいまー」  あたしは、靴を脱ぎながら、奥のお部屋にいるばーばに向けて、とっても大きな声で言う。  あたしの声を聞いて、ばーばは、スカートみたいに腰に巻いたエプロンで手を拭きながら、急いで玄関まで出てきた。 「はい。お帰り。よく来たねぇ」  そう言って、あたしをギュッとしたばーばからは、なんだかママたちとは違う匂いがした。  いつも遊ぶ公園の、木陰のベンチにいる時みたいな、ちょっと青臭くて、でも、スッキリとした匂い。  なんの匂いだろうと思って、ばーばに聞こうとしたら、あたしの後から玄関に入ってきた、パパが、一足早くばーばに声をかけた。 「お義母さん。ご無沙汰してます」 「こちらこそ。遠いところようこそ。運転疲れたんじゃない? 上がって、あちらで休んでちょうだい」 「はい。お義父さんたちに挨拶したら、お言葉に甘えさせて貰います」  パパは、ばーばといつも通りのおしゃべりをした後、靴を脱いで、あたしの手を引いておうちの中へと入った。  ばーばにお話があるのにと思って振り返ると、ママとばーばもお話をしながら、あたしの後をつい来ていた。 「母さん、ただいま。きゅうりとナス、途中のスーパーで買ってきたわよ」 「あら、ありがとう。うっかりしてたのよ。これで間に合うわ」
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