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「少し鈴麗様に確認したいことがあるだけです…もし鈴麗様がそれを拒否なさるなら会わなくて大丈夫なので聞いて貰えませんでしょうか?」 メガネの男は少し驚き後ろを振り返る。 「おい!なんで南明に話しかけるんだ、話していたのは私だろう」 無視無視。 「どうでしょう?」 王蘭は男を無視して南明にうかがう。 「クッ…この女…」 後ろの男が悔しそうにしていると… 「ふっふっふっ…」 南明が笑いだした。 「王蘭様わかりました、では鈴麗様に確認して参ります。もし鈴麗様が無理ならありのまま話して下さいね」 「はい、わかりました。感謝致します」 南明は頷くと席を立った、そのまま鈴麗様の元に行くようだ。 「仁…様はこちらで王蘭様を見てて頂けますか?」 「なぜ俺が!?」 「なら鈴麗様に今の事を話に言って下さいますか?」 「グッ…」 仁と呼ばれた男は苦虫を噛み潰したよう顔をすると仕方なさそうに鉄格子の向こう側の椅子にドサッと腰掛けた。 「では失礼します」 南明様はその様子に笑うと仁様を置いて部屋を出ていき階段を上がっていく音がする。 私は南明様が居なくなるのを確認すると、仁様を無視してベッドにごろっと横になった。 「な、なんだその態度は!」 「自分のベッドに横になっただけですけど?」 「私の前で…いや、男の前でよくそのような態度でいられるものだ」 馬鹿にするようにため息を吐いた。 「別に男と言うわけでなくあなたならいいかと思っての態度です。自分を嫌ってる相手に愛想振りまいても仕方ないですから」 「嫌ってなど…」 「そうですか?私と目が合うなり怪訝な顔をして南明様みたいにここに入ってくるわけでもなく鉄格子の向こう側で仕方なさそうにしてる貴方様になんの気を使えと?」 「な、ならそこに入ればきちんとした態度を取るのか?」 王蘭は起き上がって少し考えると 「そうですね、それなりの態度でこられたら礼儀としてきちんとするつもりです」 仁様は少し考えると鉄格子を開けて中へと入ってきた。 まさか入ってくるとは思わなかった王蘭は慌てて立ち上がって身構える。 まさかとは思うが逃げ場のない場所で男と二人っきり…そんなところでベッドに寝転がってる訳には行かなかった。 しかし仁様は南明様が座っていた椅子に腰掛けた。 王蘭も同じように椅子に座ると… 「何故…鈴麗と話がしたい、何かやましい事でもあるのか?それとも何か脅そうと考えてるわけでもないだろうな…」 仁様が話しかけてきた。 「鈴麗様と話したいのは…まずは無事なのを確認したいのです。最後に会った相手が死なれたとあれば目覚めも悪いですからね…それと最後に話したので少しその事も話したいのです」 「何を話した?」 「それを言ったら鈴麗様を呼ぶ意味ないですよね?そこは…女同士の秘密の会話です。それとも女の話、聞きたいんですか?」 仁様は少し考えた後にいいと首を振った。 「英断です、女の話は聞かない方がいいですよ」 私は苦笑して仁様を見つめた。
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