発見

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発見

 まず前提として、私は神とそんなに関わりたい訳ではない。そもそも、昔から余計なものが見えていた私はよく知っている。 『アレは人が近づいていいものではない』  妖怪や幽霊も普段は極力無視している。うっかり関わってしまった者もいたりするが、彼方もそう人間に関わりたいと思っていない者も多いのか話しかけてくる者は少数だった。  その少数の中に、あろう事か神様が含まれてしまっているのだが。  彼らと何度も縁を絶とうとしたが、どれも上手くいかなかった。ならば神様が飽きるまで付き合うしかないだろう。そう覚悟を決めなければならなかった。  そんな訳で、私は神の言う『クソガキ』を探し出す必要があった。恐らく、あの神は既に身元を割り出している。もちろん人間のような方法ではなく、大方自身の眷属に後をつけさせたのだろうが。  つまり、私が件のクソガキを見つけ出すのは神の為ではない。彼に忠告し、大事にならないようにする為だ。  何故こんな事をしなければならないのか。私も、そう思う。正直、投げ出してしまいたい。けれどこれがあの日から私の役割になってしまった。  神の話によると、クソガキは私の中学校の生徒らしい。制服を着ていたというのだから間違いない。この田舎にある中学校は私の通う学校だけだ。つまり、クソガキは私と同じ各学年一クラスしか無い中学校に通っている。  そもそも人の少ないこの町にいる人間なので探し出すのはそう難しく無いが、これで更に探しやすくなった。中学生が今の時間にいる場所はそう多くは無いだろう。  まず学校。学生ならではの場所だ。しかし、今は放課後。部活や委員会が無ければとっくに下校してる筈だ。それに今日は校舎の点検がある。「生徒は早く帰るように」と追い出されたのだから、学校に残っている事は無い。  次点は「もう帰宅して家にいる」だが、これはどうしようもない。私に手出しできる領域ではない。それに、家ならば誰か家族がいる可能性が高い。神が他の善良な町の人を傷付けるような事はしないだろうから、家で何か起こるとは考え辛かった。友人の家も同様である。  ならば、男子中学生の屯するような場所を回ればいい。どうせ狭い町内だ。そこまで重労働ではない。
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