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何週間振りかな。
休みだと言っても、なにかしら用事があって、結局休もうと思ったときには、もう明日の為にベッドに入らなきゃならない時間になってる。
だから、休みのようで休みでない休みに、体は一向に休めない休日を送っていたから、なにも予定がないこんな休日はなにをしていいのか逆に戸惑ってしまう。
「真希も法事で、今日は福岡の実家に帰ってるし・・」
こんな日に限って、付き合っている彼女も暇な奴もいなかった。
「まぁ、昼前まで寝てたんだからエネルギー補給出来たってことで、コンビニにでも行くか」
小腹もすいたし、僕は小銭入れを手に、スエットの上下にサンダル履きのラフな格好で家から数分のコンビニに行くと、好物のシャケと紀州梅のおむすびに、お茶と新発売のお菓子を買った。
「気持ちいいねぇー」
秋晴れというには少し早いけれど、夏も終わりを告げているように空は高く、青空と雲のバランスもちょうど良かった。
だから、このまま家に帰って一人おむすびを食べるより、もうひとつ辻を違えた通り沿いの川の景色でも眺めながら食べたほうが、よほど美味しい気がした。
「土手沿いにベンチもあったしな」
そう思いながら方向転換すると、昼食の時間帯だからか、いつもなら小さな公園で遊んでいる子どもたちも、川沿いの芝生やベンチで寛いでいるカッブルや家族連れの姿はほとんどなかった。
ー これなら堂々とおむすびを食べてゆっくり出来るし、あのままうちに帰らなくて良かった ー
川のせせらぎにも癒やされる。
そう思いながらベンチに腰掛け、コンビニの袋をガサガサしていると、すぐそばからガサガサと音がする。
慌てて手を止めても、その音は止まない。そして、ガサガサというより木々の葉っぱをバサバサしているような音だった。
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