3人が本棚に入れています
本棚に追加
7.異物混入
突然ですが、マイクロプラスチックってご存知ですか。何でもプラスチックの破片で、目に見えないサイズのものもあるそうです。これが人体に入ったら大変だ。
という記事を、マイクロプラスチックについて調べると沢山目にしました。そんなこともあって、人体に注射するワクチンに異物混入があったら大変だ、と騒がれているのかもしれません。あ、因みに私はこないだ、話題のモデルナを二回接種し終わりました。
実際には混入していたものはプラスチックではなく、ステンレスだったそうですが、それでも異物混入です。生産国はスペインだったか、その生産過程の品質管理に問題があったことは確かです。が、そんなものを何故私は受け入れたのでしょう。
普通に想像してみてください。異物混入が発覚したのは、それがワクチンの容器の中に見えたからです。つまり、目に見えるサイズだったからです。次に、注射するには注射針を使いますが、あれは大変細いです。
注射針の太さはGという単位で表されるようですが、主に医療現場で使われるのは16G〜27Gだそうです。この数字は大きければ大きいほど細い針ということになります。今話題の筋肉注射に使われるのは21〜23G、インフルエンザワクチンには26Gの針を使うそうです。
ジー、ジー、とばかり言ってるけれど、実際どれほどの太さなわけ?ということになると思います。上の針で言うと今回のワクチンに使われそうなのは22Gか26Gくらいでしょうか。そのうち、22Gだと外径0.72±0.02mm、内径0.41±0.03mm。26Gなら外径0.46±0.02mm、内径0.26±0.03mmだそうです。外径は針の実際の太さですね。内径は針に空いている穴の大きさです。ここで重要なのは内径の方です。
注射するのは勿論ですが液体です。それを針で以てちゅうちゅう吸って、その針を腕に刺してちゅうちゅう注入するわけです。つまり、異物を体内に入れるためには、当然ですがこの内径より小さい必要があります。筋肉注射に使われる22Gの針でも内径は0.41mm。大きさで言うとミカヅキモくらいのサイズです。
ミカヅキモが分からない?小学校の理科で習うやつですよ。ほらあの、よく池なんかに浮かんでいる、三日月型の緑色のヤツです。見たことないですか?まぁ私も肉眼で見たことはないですが。
因みにヒトの肉眼では0.1mmまで見えるそうです。頑張ったらミカヅキモも見えるかもしれません。
何故こんな話をしているのかと言うと、今回の異物混入が判明したのは、肉眼で、です。つまり、このワクチンを打とうとした人が、ものすごく目を凝らして一つ一つ確認していたわけでもない限り、混入していたものは注射針を通るようなサイズではなかったことになります。
でもほら、異物が入ってたってことはその破片とか、そんなのが目に見えないサイズで入ってるかも知んないじゃん。
確かにそうですね。ですがそれもそれで、私は対して問題だと考えていません。
ちょっと話が飛びますが、今回話題になっている筋肉注射は、実は別に新しい注射方法というわけでもなくて、海外でワクチンを打つときには普通に使われている方法なのだそうです。何を隠そう日本においても、かつては使われていた方法なのです。
では何故、それが今の今まで使われていなかったかと言うと、1970年代にあったあることが原因だそうです。
その当時子どもの大腿四頭筋短縮症という病がありました。これは子どもの太腿に筋肉注射をした際に膝を曲げられなくなり、歩行障害を生じるというものです。これにより筋肉注射はダメの一点張りを受け、日本では規制がかかりました。けれど、これは筋肉注射が問題だったわけではなかったのです。
当時の日本では、子どもが風邪を引いた際などに頻繁に筋肉注射で抗生物質や解熱剤を投与していたそうです。確かに筋肉注射は効果が高い。注射には主に皮内注射、皮下注射、筋肉注射、静脈内注射と種類があり、この順番でだんだんと効果が高くなるそうです。なので、当時のお医者さんも効果の高い筋肉注射を選択していたのだろうと思われますが、それによって障害が生じてしまいました。
これに当時の政府は敏感に反応し、ワクチンについても筋肉注射ではなく皮下注射が推奨されました。けれど実際問題があったのは抗生物質等を乱発したことであり、筋肉注射ではなかったのだそうです。
さて、これで筋肉注射の有効性も示せたかと思いますが、筋肉に注射すると言っても周辺組織を通って、最終的に血管内へと入っていきます。そうして血流に乗って全身を巡る。ここに異物の破片があったら何か人体に悪影響がありそうです。が、大丈夫、ヒトには腎臓があります。
腎臓の役割は何でしょう。肺や心臓、胃とか腸とか言われると分かりますが、腎臓は一体何をやっているのでしょうか。腎臓はおしっこを作るところですね。何からかと言うと、血液からです。
腎臓はとても重要な臓器で、まぁ不要な臓器なんてないのですが、腎臓は血液の濾過を担当しています。血液内にある不要なものを取り除き、おしっことして体外に排出できるようにしてくれるのです。
普段皆さんはおしっこをされると思います。今時アイドルだってしますから、恥ずかしがることはありません。そのおしっこは濾過された血液の内の1%なのだそうです。つまり日に何度も頻繁に血液は濾過されているわけです。ここに分子レベルの異物が混入していたとしても、腎臓が濾過して体外へ排泄してくれます。
ヒトの身体とはほんと、よく出来てますね。
最初のコメントを投稿しよう!