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フィルは、世界伝についての研究に行き詰まっていた。
気分転換しようと、中庭を散歩していた。
パオに首輪をつけて……
「おい! はなせ!」
パオは、今日もオヤジ声でキャンキャン吠えている
「おすわり! パオ……」
フィルは、ニヤニヤとパオしつけている。
「フィルさん……それは、ちょっと可愛そうですよ」
ススムがいつものように後ろにトムを連れて歩いてきた。
「お前……王子なのに暇なのか?」
フィルは、訊いた。
「まさか! ススムさまはものすっっごく責務で忙しく昨日も三時間しか眠れてないのだぞッ!」
トムが、すごんで言った。
「なら、のんびり歩いてないで眠りについてきたら良いじゃないか?」
フィルは、トムのうるさい声に顔をしかめて言った。
「そうしたいのは、やまやまですがこれから兵達の訓練に僕らも参加するのですよ。護身用と体力づくりに……」
フィルは、なんでこいつ睡眠不足で死なないんだ?とか、思ったが黙っていることにした。
「それで二人とも矛を持っておるのだな」
パオは、自分の頭上でキラリと光る矛先を見上げて納得して言った。
「おもしろそうだから、私も行って良いか?」
「女のくる場所では……」
トムが、断る前にススムが
「オッケーですよ。トム! 矛をもう一本もってきて下さい」
っと、言った。
「王子……わかりました」
トムは、ぶつぶつと何かを言いながら武器をとりに行った。
「フィルさん、矛も使えますよね」
ススムは、にっこり笑って訊いてきた。
「まぁ、そこそこ……」
フィルは、私も訓練に参加するのかよっと
呟いた。
そうして、フィルと、ススム、パオは先に訓練所のドームのなかへと入って行った。
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