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 フィルは、城の塔の高い部屋に身をよせる事となった。まぁ、当然王子と同じ部屋になることは、ないのだが。  フィルは、猫足みたいな足が四本ありかわいいらしい深緑色をしたテーブルに顔を突っ伏してソファーで唸っている。テーブルは、世界伝に関する書物や資料で山ずみになっていた。部屋の広さは、二十畳くらいだろうか 「はぁ……割に合わない。世界伝の伝説は沢山出てくる中なかなぜだか、神殿から持ち出すことに関しての書物は、まったく出て来ないのである」 『持ち出し禁止ってか、持ち出せないんかい!』 フィルは、無理難題に直面していて頭から煙が 出そうになっていた。一緒の部屋にされた小象なんてすでにさっきから頭から煙が出ている。小象には、私に手伝えば元に戻してやるとか言って言うことをきかせている。 コンコン…… ドアがノックされた 「は~い……」 フィルは、 『そろそろ朝食かな?』 いつもは、侍女らしき人がせっせと運んでくる時間なのでそうかな?っと思っていた。 「入りますよ~」 顔を見せたのは、ススムとトムでトムは、手にフィルと小象の朝食を乗せていた。 「メシ!」 フィルは、それをトムからもぎ取ると ガツガツとそれを食べはじめた。 「……王子、本当になんでこんな奴と婚約なんて……」 トムは、呆れ顔でフィルを見ながら訊いた 「え? トムわからないんですか? フィルさん多分黙っていればめちゃくちゃかわいいですよ」 ススムは、フィルの顔をじぃ~と見つめながら言った。 ……「ひふれいね、あんふぁ!」 フィルは、口にものを入れたままこうぎした。  フィルは、今、白いTシャツにふわりとしたパンツ姿のラフな格好をしていた。 ススムは、ちょっと考え 「今日一緒に出かけませんか?」 っと、言ってきた。 「王子ッ! 今日は、責務が色々あるのですよ!」 トムは、持っていたスケジュール表をペラペラめくりながら言った。ススムは、トムを下から覗き込みキラキラした猫のような目で見つめた。 じぃ~~~。 見つめる事数秒…… 「……わかりました。その変わりお忍びでこっそりですからね。大方、服屋にでも行くつもりでしょうあなた様は」 トムは、ちょっと呆れてそう返すと支度しますよ。っと、ススムを連れ部屋から出て行ったのである。 「……私、行くって言ってないけど」 フィルは、ため息まじりで言ったのだが聴いていたのは小象のみであり、どうでも良いが小象の名前は勝手にフィルがパオにしてしまった。 「しょうがない、行くかパオ」 パオは、かわいいのにオヤジ声なので笑ってしまう。 「その名前イヤなのだが……」 っと、行ったが逆らうことも出来ない状態なので この際どうでもよくなったのであった…………
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