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 気がつくと、血まみれであずさは息絶えていた。  四人の母親たちは互いの顔に飛び散った返り血を見た。  それは一年半前、それぞれの息子たちが貴徳の血を浴びた姿と酷似していたことだろう。  彼女たちの息子は帰らない。  その手がかりが詰まった脳は、いまやごく小さな肉片となって床の上に流れ落ちていた。  
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