361人が本棚に入れています
本棚に追加
________________
「水宮君、起きて。もう放課後だよ」
「ん、、誰?」
少し高めの声が、上から降ってきて雫は顔を持ち上げた。
窓から刺す光に頭がクラクラする。
視界に入ったのは、自分よりも多分背が低い、3人組。気のせいか顔が赤い気もする。
ボーッとしつつも、真ん中の子の顔を見つめると一気にボッと赤くなった。
何これ面白い。
「どうしたの、、?俺に何か用事?」
「あ、えっとぉぉ」
「もう放課後だから」
「起こした方がいいかなって」
結局、あの後俺は寝てしまったらしい。辺りをチラリと見ると、教室にはほとんど生徒は残っていなかった。
「そっか、ありがとう」
「う、うん」
「ぜ、ぜんぜん。気にしないでっ」
「じゃあねっ、、」
「うん、バイバイ」
引き止める理由もない。お礼を言った後、足早に去っていく彼らを俺なりの笑顔で見送った。
ペンケースだけを鞄に放り込んで、そのまま肩にかける。
「俺も帰って、寝よ」
まだまだ、夜まで時間はある。
折角の昼寝ライフを楽しむためにも、重たい足を動かした。
最初のコメントを投稿しよう!