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一仕事(一)
「まあ、遊びくらい、いつでも付き合ってやろうさ。それに、里には本当の子どももおるからの。そのうち友もできるじゃろ」
そうして、ぽんと頭を撫でる。
「ああ、そうじゃ。晴たちは、せっかく来たなら一仕事していかんか?」
今度は、葛の柔らかい頬をぺたぺたしつつ、老少女が提案した。
「仕事ですか?」
意図を掴みあぐねる玉瀬を尻目に、晴道は大きな笑みを浮かべた。
「依頼とあらば喜んで」
「あの、師匠……おれたち一体何をすれば?」
まさか、怪異に困っているわけでもあるまいに。
「ああ。いつもの仕事とは、まったく違うだろうな。まあ、すぐに分かるさ」
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