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そしてあてもなく山の中へと足を踏み入れる。
すると山中で誰も使っていないであろう古く荒れ果てたロッジを見つけ、当面の寝床にすることにした。
都会で過ごしてきたオレにとってガスも電気もないこの場所での生活は体験したことのないサバイバルゲームのようなものだ。
コンビニもお店もなく、人すらも出会うことのないこの場所では自給自足が当たり前。
空腹を満たすために山の中になっている木の実を採ったり、川で魚を取ったりしてなんとか腹を満たした。
こんな経験は生まれて初めてだ。
だけど、煩わしい人間関係もなく、情報から遮断され、時間に追われることのない生活は何事にもかえがたい解放感と充実感を与えてくれた。案外、性にあっていたのかもしれない。
きっと今のオレには必要なことだったのだと思う。
「わぁ、星が…」
たくさんの自然、ふと見上げた夜空に浮かぶ満天の星が最高にオレの疲れた心を癒してくれた。
そしてここでどのくらいの時を過ごしただろう。
やがて半年ほど経ったころ、精魂尽き果てていたオレはすっかり別人のように元気を取り戻し、やっと社会復帰をする決心がついた。
「ついにここともお別れか!」
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