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更にそんな中、蜘蛛丸も攻撃の手を休めてはくれず絶体絶命のピンチである。
〈果たしてどうやって切り抜けるか…〉
戦いながら考えあぐねていると、唐突に背後から男の声がした。
「貞光、頭を伏せろ!」
「!?」
咄嗟に貞光は声の指示に従って頭を伏せた。
するとどこからともなく骸骨の頭ほどもある大岩が彼の頭上を通り越してガシャドクロに直撃した。
だが、その衝撃でガシャドクロの体はぐらぐらと揺れ始め、ガラガラと崩れ始めた。
「わっ!」
宙に投げ出され、慌てふためいた貞光だったがこれは願ってもないチャンスである。
貞光は体勢を立て直すと蜘蛛丸に突進し、木槍を突き刺した。
「!!」
さすがに木槍では致命傷とはならなかったものの、蜘蛛丸は衝撃でそのまま気絶してしまった。
≪蜘蛛丸!!≫
ガシャドクロが崩れ落ちただけでなく、蜘蛛丸が気絶してしまい滝夜叉姫は悔しそうに爪を噛んだ。
≪しぶとい奴らめ…≫
「貞光、大丈夫か?」
そんな滝夜叉を横目に声をかけられて貞光はハッと振り返った。
さきほど貞光を助けてくれた声の主は黒髪にこんがりと焼けた肌、長身で筋肉質な大男。
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