滝夜叉姫

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その瞳は金色に輝いている。 初めて会ったはずなのにその雰囲気にどこか懐かしさを感じる。 「さっきは助かった」 「当然だろ、かつて一緒に戦った仲間だ!!」 見た目の厳つさに反して屈託なく笑う。 そんなくしゃくしゃの笑顔にかつての仲間を重ねた。 「…もしかしてお前、公時(きみとき)か?」 「大正解!」 公時と呼ばれた男は豪快に笑うと貞光の肩をバンバンと叩いた。 「いてぇよ、馬鹿力!!」 「久しぶりの再会を喜ぶくらいいいだろ!」 彼は頼光四天王の1人、坂田公時である。 最年少で”金太郎”の愛称でも親しまれていた剛力の持ち主だ。 転生して姿こそ違うが、気軽なのはあの頃から何も変わっていないようだ。 「再会を喜びたいのは山々だが、その前に俺たちはやらなきゃならないことがある」 そういって貞光は滝夜叉に視線を向けた。 「そういえばそうだったな」 ≪頼光四天王が2人も現れるとはわらわはついているらしい。このままただでは帰さぬぞ!≫ 「その言葉、後悔させてやる」 滝夜叉は怒りの形相を浮かべ、再びガシャドクロを召喚した。 しかも先ほどの倍はあるであろう、巨大な姿で。
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