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≪お前らなど食われてしまえ!!≫
「うひゃぁ~こりゃデカいな!!でも見掛け倒しだったらオレ様にはきかないぞ」
公時は心なしか楽しそうに呟やく。
「貞光、こっちのデカブツは任せろ。お前は術師の方を頼む」
「公時、本当に大丈夫か?」
「ダイジョーブ、ダイジョーブ。こんなん余裕だっつーの!」
公時は貞光にひらひらと手を振ると巨大なガシャドクロと対峙した。
そんな彼の背中は頼もしくもあり、貞光は滝夜叉に向き合った。
〈幸い、滝夜叉の戦闘力は高くない。恐らく、どこかに隠している呪符を破ればガシャドクロの動きは止まるはずだ〉
―呪符なら彼女の袖口にある。
貞光の頭の中に声が響いて視線を向けると袖口からちらりと呪符が見えた。
「あれか!」
狙うのは彼女の手の内にある呪符。
貞光は彼女の袖口を目掛けて木槍で斬りこんだ。
≪なっ!≫
彼女は咄嗟にモノノケたちを盾にしてじりじりと後退る。
しかし、モノノケたちはあっけなく貞光になぎ倒されていった。
「もらった!」
そして貞光は彼女の体を抑え込み、呪符をつかみ取るとその場で破り捨てた。
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