プロローグ

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単純に田舎だからだろうと最初のうちは気にも留めなかったが、おかしいと思い始めたのはそれから数時間が経った頃だ。 やっと名の知れた大きな駅に辿り着いてホッとしたのも束の間、それなりに賑わっているはずの駅なのに誰もおらず閑散としていたのだ。 「あれ?」 廃墟にように静まり返り、駅員の姿もなく、まるでしばらく使われていないかのよう。 ―マジで廃線になった?いや、半年前には動いていたんだからそんなはずは… オレは急に不安になって駅前の交番に駆け込んだ。 だが、そこにもいるはずの警官の姿はなく、それどころか町のどこを見ても人っ子一人見つからなかったのである。 どこもかしこも廃墟のように静まり返り、埃をかぶっている。 誰もいないなんてそんなはずはないのに。 ―一体どうなってんだ?みんなどこに行ったんだ? わけがわからず不安になってオレはさ迷い歩いた。 しかし結局、この日は誰とも会うことができず適当なところで夜を明かした。 そして次の日も、また次の日も誰にも会うことはできないまま歩き続けて、ついにある日の深夜にやっと自分の家へと辿り着いた。 もう何日歩き続けたのかさえよくわからない。
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