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瞳を潤ませ、貞光と公時を睨み付けると怒号を上げた。
≪1度ならず2度までも…!この恨み、絶対に晴らしてやる。覚えておれ、頼光四天王!!≫
彼女はそう言い残して慌てて逃げていった。
貞光は少々悔しそうだが、公時は呑気に口笛を吹いていた。
「…くそっ、逃げられたか」
「まぁ、でも貞光、ケガしてるし引いてくれて良かったんじゃない?」
「相変わらず能天気なやつ」
「だってオレ様たちの役目はあの女を倒すことじゃない」
公時の意味深な物言いに耳を疑った。
「もしかしてお前、何か知ってるのか?この世界に何が起きているのか」
「あーまぁ、ざっとだけど殿から聞いてる。それで貞光の太刀を手に入れてお前を探してたんじゃないか」
「殿…ってことは俺たちが目覚めたのも偶然じゃないのか…?」
「そうだね、恐らく偶然じゃない。この世でもう一度妖怪退治するために甦ったんだ」
「妖怪退治だと?」
「そう、この世界が変わってしまった元凶は烏天狗で、元の世界に戻すにはそいつを封印するしかないんだって殿は言ってた。そのためにオレ様達、頼光四天王は甦ったんだって」
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