プロローグ

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「やっと着いた!ただいまー」 家の明かりはついていない。 ―なんだ、みんな寝てるのか。 オレはみんなを起こさないようにそっと家の鍵を開けると自分の部屋に滑り込んだ。 そこは自分が出ていった時のままで何も変わっていない。 ―我が家に帰ってきた! そう思ったら安心して急に眠くなった。 ―何日も歩きっぱなしだったもんな… そしてその日は電源が落ちたようにそのまま深い眠りについた。 翌日、昼過ぎに目を覚ますとぼんやりとした頭でリビングへと向かった。 「ふわぁ…水、水」 しかしリビングにはいつもだったらいるはずの両親の姿はない。 「なんだ、出かけてるのか…」 ―ま、いいや。そのうち帰ってくるだろう。とりあえず、水と何か食べるもの… ふと冷蔵庫を開けて愕然とした。 電源が入っていないのか食べ物が腐って異臭を放っていたのである。 「うわっ!なんだこれ!なんで電源が抜かれてるんだよ…」 オレは苛立ちを覚えつつ、気を取り直してテレビをつけようとした。 だが、つかない。 ―あれ?なんでつかないの? 段々と不安になってきていろいろつけてみようとしたが全く反応なし。
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