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貞光はその性格からは想像がつかないが、昔から信心深く、神仏信仰が厚い人物である。
そこで彼にはしばしば神が味方するようなところがあり、科学では説明できないような不思議なことが起こるのだ。
それを彼は神の加護と呼んでいた。
今回もそんな力が働いたということなのだろう。
「…ただ、俺の木槍は大嶽丸に燃やされちまったけどな」
元々競技用で殺傷能力の低い槍ではあったが、それでも彼にとっては相棒のような存在だ。
その木槍が失われ、悲しいと同時に不安も生まれた。
この先、烏天狗に対峙した時、太刀一本で勝てるのかと。
「新しい武器が必要だな」
「でもそんなあては…」
「確かにあてはないが、噂に聞いたことがある。京都に刀鍛冶一族の隠里があるって話。もしそこが見つかればもしかしたら武器を調達できるんじゃないか?」
「刀鍛冶一族の隠里か」
「そう!あくまで噂だから本当にあるかどうかはわからない。けど、オレ様たちはどうせ京都に向かうんだし、探してみるのもアリじゃないか?運が良ければ綱さんや卜部さんにも会えるかも」
「でも京都と一言で言っても広いからなぁ」
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