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俺とお前の関係性
出た!入学金の話し!
「ごちそうさま」
俺はそう云って、急いで自分の部屋に戻った。
「まったくいつまで入学金の話しをするつもりなんだ」
「一応、難関といわれている大学に行ってるんだ。就職も一流企業に行ってみせる。給料を溜めてオヤジに入学金を返すからな」
ある日、風呂に入っていたら、アイツが穴から顔を出した。
その時、俺とアイツの目が合った。
アイツは暫く動かなかったが、俺のことなど怖くも何とも無いらしく、堂々と石鹸を強奪してみせた。
「ネズミのヤツ」
服を着ながら俺は決意した。
翌日から石鹸の横に小皿を置いて、その上に
胡桃を置いた。
単に歯を削るためだけに石鹸を盗まれるなら、
食えるものを置いてやる。
俺はそう決意したのだ。
一時間後、そっと風呂場を覗いてみた。
胡桃は無くなっていた。
「よっしゃ!」
俺はガッツリポーズをした。
その日から、アーモンドやハムスターの餌を置くようになった。
ヤツは全部、持って行った。
考えたら、胡桃やアーモンドの方が、石鹸より高くついていることを俺は分かっていなかった。
石鹸を死守することに命をかけていたのだ。
バカだ。
1ヶ月後には、ヤツは俺の手からエサを持って行くまでに懐いていた。
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