序章

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気がつくと見知らぬ天井も無い青空の下で目が覚めた 半身を起こす為に突いた手は地面ではなく雲を触っていて、一瞬手がすり抜けるかと思ってビックリしたが確かな手応えと自らの体重を支える事が出来る事を確認出来た なぜ雲なのに?どうやら物理の法則は適応されていないようだ クビを傾げながら辺りを見回すと、遠くにギリシャ神殿のような建物とそこから出てくる背中に真っ白な羽をつけた神官のような女性がこちらに来るのが見えた もちろん雲の上に重厚な石造りの建築物があるので物理の法則が確実に働いていない事実が確認出来たので少し安堵したわけだが、何故こんなまるでファンタジーの世界みたいな場所にいるのかは不明だが、記憶を手繰ろうにも上手くいない 『気がついたようですね』 神殿のような建物から出てきた羽の生えたギリシャ神官のような女性は笑顔を湛えたままやってきた もちろん空を飛んで、いや、浮遊してと言った方が正しいか、、、 しかし羽は羽ばたいておらず流体力学すら無視しているようだ 『まるでファンタジーだな』 現実感のないその情景に呆気に取られつつも汚れてもいないお尻を払いながら立ち上がった
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