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千晶side
目を開けた数センチ先に見えたのは肌色のナニカ。
「…なんだこれ」
近づき過ぎてよく分からないナニカをちゃんと見ようと体を離しながら視線を上げたら、肌色のナニカは人の顎部分で、その上に薄めな唇と整った鼻筋が見えた。
「……はっ!?えっ!?」
なんでおれ小野田と寝てんの!?
確か昨日は…あぁそっか、小野田の家で皆と宅飲みして、おれが先に潰れてベッド占領したんだった。皆はおれを置いて帰ったらしい。
「うぁ〜もう起こせばいいのに」
ベッドの置いてあるこの部屋は暗いけれど、隣の部屋は電気がつけっぱなしで何の支障もなく壁に掛かる時計が見える。
「2時か…」
なんか中途半端な時間に起きちゃったな。
酔いが覚めた訳じゃなくて、頭はまだぼんやりふわふわしてるし、身体もダルい。寝直そうかなぁなんて、時計から視線を外して隣に寝てる小野田に目をやった。
カッコいい…っていうかイケメンだよなぁ。目を閉じててもイケメンはイケメンだ。この至近距離に耐えれるって言うか、男のおれでさえ見てられる。
「……寝よ」
いくらイケメンでも友人の顔を見続ける気はないし。
布団を引き上げて寝直そうとした所で、自分の肌に当たる布団の感触にそっと目を落とせば、パンツ一枚…。
「なんでだ?」
んー?と思い出せば、そういや吉田がビールをぶち撒けたのを思い出した。
「あーそっか、あれか」
理由が分かれば裸なのはもうどうでもよくて、モソモソと布団に潜り込んだ……ん?これって枕じゃなくて小野田の腕じゃん。
男の腕枕って…。
腕をどけようとそっと頭を浮かせると「ん~」と小野田が声を出した。
その声にドキッとして頭を戻すと小野田が目を覚ましたような気がして慌てて目を瞑った。
だってなんか恥ずかしくね?こんな体勢で二人で目覚ましてたら、居た堪れないって言うかさ。
それに小野田がどんなリアクション取るのかちょっと興味あるんだよな。
いつも冷静沈着って言うか、慌ててんの見たことないし。
「…ん、ん?」
あ、起きた?
「……あぁ、千晶か」
つまんねぇの。全然驚かないじゃん。たいしたリアクションもしない小野田に内心で呟いて、やっぱりもう一度寝直そうと思ったら、
「口開いてる…マヌケ顔だな」
う〜!!ムカつく〜!マヌケ顔で悪かったなっ!起きて言い返そうと思ったのに、さわっとなにかが触れた感触に動けなくなった。
え、なに?触ってる?
「指入りそうだな…」
は?指突っ込む気か?
むにむにと唇を指で押されて、隙間から小野田の指がおれの口の中に入ってきた。
噛んでやるって思ったけど、それより吸い付いた方が驚くかと思って、ちゅうっとその指に吸いついてみた。
おれの予想だとキモいって指を抜くかと思ったのに、ピクッて動いた後はそのまま奥まで指が入ってきた。
いや小野田何してんの!?普通抜くだろっ!?
小野田の指がおれの舌を撫でるように動く。なぜかおれはそのままその指に吸い付いてて、舌を指に絡ませていた。
ハッ!何やってんだおれはっ!今起きないと余計に気まずくなるじゃん!
「エロいな…」
ポツリ落とされた小野田の声に、ゾワッと鳥肌が立った。
「ん、ふぅ…」
小野田の指はおれの口の中を愛撫してるみたいで、いつの間にか増やされてた二本の指がおれの上顎をなぞってく。
「ぅ、ん…や」
それにゾクゾクと背筋が震えて、変な声が出る。いや違うぞ。感じたんじゃないからなっ。
ど、どうしようっ。どこで起きればいい!?
起きるタイミングを逃したっぽい。
「マジでエロい…。突っ込んだら気持ち良さそ…」
は…?え、今なんて?聞いちゃいけない言葉が聞こえたような…。
チュポンと抜かれた指に、ホッとしたのもつかの間、ぬるりと入ってきた物体と唇を塞ぐ柔らかな感触に頭が真っ白になった。
え、おれキスされてんの?しかもディープなやつ。
パニクってるおれを余所に、小野田の指がおれの首筋をなぞる。
いや待って!?おかしくないか!?
パニクってるくせに、口腔を弄る小野田の舌にゾクゾクと身体を震わせてる。
あぁダメだ。ヤバい。小野田ってキスめちゃくちゃ上手い。
抵抗するのも忘れて小野田の舌を受け入れてると、カリッと指がおれの乳首を引っ掻いた。
「ひんっ」
ヤバい声出たっ!なんだよひんってぇーー!
「へぇ、寝てても感じるモンなんだ」
何の感想だよっ!そんなのいいから触るなって!
パニクってる頭とは別に、クニクニ捏ねられて、摘まれて引っ掻かれて、身体は正直に反応しまくってビクビクと跳ねる。
「んっ、ぁん、ンンッ」
声が抑えられないっ!ヤバいバレるっ!目が覚めてんのも感じてんのも、小野田にバレるぅー!
「感度いいな」
だからっそんな感想いらないってっ!
「あっやっ…」
おれの口腔を蹂躪してた小野田の舌は今度は乳首に狙いを定めたらしい。
ねろりと舐められて、舌先が捏ねるように蠢いて、おれはもう限界だった。
「お、小野田っお前、何し…ヒンッあっ、や、止め…ぁん、ンンッ」
ちゃんと起きてるって分かった筈なのに、小野田はおれの乳首を甘噛みして舌で転がした。
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