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ロレッタは舌に絡まれながらもなんとか呑み込まれまいと必死に抵抗した。とその時辺りに赤い魔法陣が姿を魅せた。
「血肉へと帰りたまえ煉獄の炎、煉獄の鎮魂歌」
突如、高熱の焔柱の渦が巻き起こり、魔物を喰らいつくしていった。するとようやく霧が晴れ夜空が姿を現した。夜なのに霧に惑わされるなんて本当に不思議な土地だと感じた。これも魔法が生み出す幻惑なのだろうかと……
ロザが即座にロレッタの元に駆け寄った。
「ロレッタ……怪我はない??」
優しい瞳が私の顔を覗き込んだ。ロザはどうやら私の位置を探知魔法で感知し、そこに混ざっていた獣の匂いを頼りに炎魔法で焼き払ったという。
その後に残った黒き灰からここの主の殺人蛙だったことが窺えた。
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