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頂上には新鮮な空気が流れ、湿原のじめッとしていた空気を振り払ってくれた。神秘的な巨大なキノコがオブジェと化し旅人に安らぎを与えるかのように影を落としていた。
キノコはその場のエネルギーを大地から供給し、様々な光色が煌めき、まるでイルミネーションマジックを見ているようで心が安らいだ。
そして今回の目標、『蒼魔草』蒼い凛とした魔力の篭った草。これを持ち帰り煎じて飲んで貰えればマザーは助かる。そう思い蒼魔草を手にしたときだった。
安息の地に突如、土足で踏み入るかの如き、火柱が上がった。その方向は無常にも修道院の方からだった。いや、それだけではない森にも届くほどの豪炎が辺りを包み込んで行く。
「な……何が起きたの!?」
驚きと一瞬で変わった地獄絵図に唖然として言葉が出てこない。これが地獄の一夜の始まり、魔法国家レグナマリアの均衡が崩れる瞬間となるのだった。
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