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修道院が激しく揺れ轟音が轟いた。外で魔族の襲来を受けているに違いない。
「すみません。わたくしの残り寿命も僅かのよ……う……ですね」
「もう話さないでください。それ以上はお身体に障ります」
よろめきながらも懸命に前に歩むマザー……修道院を守る結界も限界がある。それに明らかに見て取れる狼狽ぶりにエドヴァンは気が気でなかった。
この修道院の地下深くに隠された禁書。黒魔導士の狙いはそれだと思われた。
昔、禁忌の術に染まったある魔導士の禁呪の数々が記されている。その中には魔人の封印の解き方や不老不死の方法なども記されている。
あれを彼らに渡してしまえばこの世は破綻すると言っても過言ではない。
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