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マザーは扉に向かって祈りを捧げた。すると扉に刻まれた魔法陣が赤く照り輝きロックが解除された。エドヴァンがマザーの代わりに重い扉を開くと中から香しい臭いが中から溢れ出した。まるでシュールストレミングのような激しい刺激臭が鼻を駆け抜けた。
マザーは再び、咳込みその場にうずくまった。エドヴァンはマザーの手を肩に掛け部屋の中に入り、絶望の光景に目を疑った。
目の前に広がる悲惨な惨状。床に転がる教え子の孤児の亡骸が無数に転がっていた。繋がっていた首から切断された者、小さな体から悍ましいほどの血涙が滴り床に溢れこびり付いていた。全部で10人の亡骸。そして、奥に背後を向いた形で1人立っている子供がいた。
その子の手には鉈が握られていた。その鉈から血が滴り落ち床に流れていた。エドヴァン達の視線、気配に気づいたのか、その子はこちらを振り返った。
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