第1章過去編 第1話 聖なる森

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 そんなある日の事寮母であるマザーが病に伏した。修道院を束ねていた方が突如倒れたことにより周りに少なからず動揺が生まれた。ロレッタはあまりみんなが心配しないようにと宥めた。そして近くの聖なる森にあるとされる蒼魔草を取りに行くことをマザーに告げた。マザーはあの森に1人で行くのは危ないと止めてくれたが何度も行ったことのある森であったし、腕っぷしには自信があると静止を振り切った。  他にも見習い魔術師のロザも協力してくれると言ってくれ二人で頭を下げた。  「こんな老いぼれのために苦労かけるねぇ。あんたたちは一度言い出したら聞かないからねぇ。お守り代わりにそこの一番上の引き出しに魔除けの十字架を入れてあるから持っていきなさい」  ロレッタは言われた引き出しを開けた。上段に大事そうにケースに入れられた十字架がしまってあった。  「そんな危険な森ではないけれど最近は少し物騒な噂も出回ってますからどうか気を付けて行ってきてくださいね。シスターロレッタ、ロザにご武運を……本当にありがとうね」  十字架を胸元に吊るし行ってきますと言いロレッタたちは部屋を後にした。
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