第1章過去編 第1話 聖なる森

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 聖なる森は四大精霊の1人であるノームが統治しているとされている。自然のエネルギーを司り、大地に栄養を供給し、大地を創造したとされている。 ここに生える植物はすべて魔法の力で生み出されている。  そのせいか木の実などにも多少の魔力が宿り、配合によっては傷や病の迅速な回復につなげることが出来る。  そして目的の蒼魔草は森の奥地に生え、月の光に蒼く輝くことからそう名付けられている。中々、険しい高地にあるため通常はあまり取りに行くことはないがその効用足るや申し分ない。旅人の中にはこれをすり潰し粉上にすることで薬とし常備している者もいると文献には書かれていた。  ロレッタとロザはランタンを片手に夜の森を進んでいく。やはり昼間と比べると鬱蒼としていてどこか雰囲気がでているように見えた。  それを察してかロザが  「もしかしてびびっているの。ロレッタらしくないよ」  「だ、大丈夫。ちょっといつもと雰囲気が違うから馴染まないだけ」  その時、突如森の茂みの中からカラスが飛び立った。
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