第2章 始まりの地 第1話旅立ちの時

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 何でも老夫婦は白魔導士の末裔だったらしくそこに代々伝わる秘伝の特訓をしてくれるというのだ。当時6歳だったロレッタにとってこの特訓は過酷を極めたが彼女の答えは1つだった。  まずは1年間掛け気を全身に溜め流すための特訓に取り組んだ。全身を司る鬼門と呼ばれる箇所に魔力が溜まるとされていた。そこを循環させることで魔力が宿り、魔法を放てるようになるという。ロレッタの場合、魔法の核となるその鬼門が完全に閉じてしまっているのが原因で魔法が使えなかった。しかもおじいさんが言うには故意に誰かにロックを掛けられているというではないか。一体誰が何のために……その疑問が頭に渦巻いたがおじいさんはこう言った。 「これは相当高度な魔法でのぅ。そこいらの魔導士では使えないんじゃ。わしが考える答えは一つじゃ。お主の母親レミエール=ルナ=エデノールは争いを極端に嫌うお方じゃった……」 「母を知っているの??」 ロレッタは率直に驚いた。まさかその名前が出て来るとは思わなかったから。
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