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そして知りたいと思った。母親の事をもっともっと……
それからおじいさんは色々な事を教えてくれた。母は魔人を封印すると同時に病に伏せ帰らぬ人になったことも……そしてその時お腹に宿した私に封呪の魔法をかけ鬼門を封鎖した。魔法があるが故の負の連鎖を無くしたいという切実な思いを我が子に託したのだ。
「そんなこともあってすまないが君は魔法が使えないわけじゃ。じゃが、今、再び黒魔導士が動き出しこの世界を混沌に導こうとしておる。いつの世も魔法が世の強弱を決めるとは何とも皮肉なものじゃ」
ふぅっと一息吐くとロレッタの方を向き直った。
「今から行う特訓を繰り返しても魔法が使えるようになる保障はどこにもないがそれでも良いかの。覚悟は出来ておるか?」
「はい。例え魔法が使えないとしても私には腕っぷしの強さには自信がありますから。もっと強くなれるのであればどんな特訓も受け入れます。死んでいった仲間、母の思いに答えるためにも」
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