第2章 始まりの地 第1話旅立ちの時

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つまりあとはその力で鬼門を一つでも開ければ一気に魔力が全身に沸き上がる事になる。それを狙った的確なコースは魔導士見習いの効率的な強化を図って考えられたらしい。そしてこれは母を初め偉大な白魔導士が考えた手法であると言うから尚説得力がある。この特訓を通じてロレッタは成長するんだと心に誓い、毎日の辛い特訓に耐え忍んだ。雨の日も嵐の日も迷わず駆け抜け日々は過ぎ、すくすくと成長していった。年月が過ぎ、幼かった修道少女も徐々に大人の女性へと成長していった。か弱い細い腕にも拘らず岩をも砕く力を手にしていった。でもロレッタは困惑していた。確かに特訓により確実に身体能力が上昇しているのは間違いない。でも……(私の欲した力は魔法だったんじゃなかったっけ)と時々嘆かわしく思える時もあった。
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