第2章 始まりの地 第1話旅立ちの時

6/7
前へ
/57ページ
次へ
一日一日確実にステップを得て力が確実についているのを感じた。だが、一向に魔法が使えるようにならないのに時々苛立ちを感じながらも焦ってはならないとおじいさんの教えを請いそれに従った。精神の揺れは能力開花への妨げとなる。常に安定した心持ちで特訓に当たった。すると時折超集中状態に入り、周りの状態が読めるようになった。  その後も何度も特訓し、1年、2年と年月が流れ16年目の朝。遂に旅立ちの時を向かえた。老夫婦がお手製で編んでくれた修道服を身に纏い、様々な野草を百葉箱に詰め肩に背負った。 「よく頑張ったのぅロレッタや。お主もこれで一端の戦士じゃ。あの修行を乗り切ったんじゃ。そこいらの魔物にはやられまいて」 「ありがとうございます、おじいちゃん。魔法が使えるようにはなりませんでしたが得たものは多くあります。黒魔導士に勝つためにも必ずや奮闘して参ります」
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加