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「どうしたのロザ?」
静かにと促すロザ。どうやらイノシシエンの群れがいるらしい。彼らは夜行性だがあまり群れないはずなのに10頭ほどが集まっていた。一番先頭にいるのがボスだろうか……他の猪と比べ3倍ほどふっくらしていた。
彼らは音に敏感でその場所に向かって問答無用で突っ込んでくる特性がある。目があまり良くない分、嗅覚と聴覚が発達している。
だからこそ冒険者はその特性を弱点に変えるのだ。音を自分たちのいる場所から遠いところで鳴らせばそこに誘導することができる。
「結構な数だね。最近、魔人の封印が弱まってるって話は聞いたことがあるけどその影響かな?今までこんな数のイノシシエンは見たことないよ」
「私も同じ。彼らの弱点である炎魔法で焼肉にでもしてあげようかしら」
ロザが物騒な事を言ったのですかさず止めた。
「待って。ロザの火力だと森も焼いてしまいかねないわ。流石にノーム様の膨大な魔力で造られた土地とは言え供給にも限りがあるはずだしね。それにむやみにこちらの位置を知らせることは命取りになりかねない。ここは慎重に」
ロザは分かったわと納得し、あなたに任せるわと言ってくれた。
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