18人が本棚に入れています
本棚に追加
吹き抜けのほとりを抜けると一気に湿度が上がってきた。じめじめと体に纏わりつく嫌な汗が気分を害す。まるで蒸し風呂にでも入れられたような感覚だ。
「ここは蛙沼ね。ここを抜ければようやく山頂に辿り着くね。でも気を付けて行きましょう。ここには人食い蛙が生息しているとされるから」
フフフと不敵な笑みを浮かべるロザ、自分の魔法の力に絶大な自身があるからこのように私をからかって遊んでいるのだ。私にも魔法が使えればギャフンと言わせてあげられるけどない才能に今頼っていてもしょうがない。
「下のぬかるみに気を付けて。沼は底なしだから落ちないようにこの魔法を使うわね」
そう言うと白い魔法陣がロザの正面に現れ、白いオーラが私たちを包んだ。
「これで良しと。敵から攻撃を受けると解除されてしまうからお互い気を付けよう」
「どうもありがとう」
私達はぬかるみをなるべく避けながら湿原の奥地へと進んで行く。
最初のコメントを投稿しよう!