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エレノアの挑戦3
(Side エレノア)
「あの、これ、私が考えた魔道具です。ぜひ、リーディウ様にも使っていただけたら、嬉しいですぅ」
私、エレノアは次に、隣のクラスの魔法師団長の息子、リーディウ様に狙いをつけた。魔法と、魔道具好きの彼であれば、きっと落ちるのも容易い。そう思って、まずはプレゼント攻撃。
「え、これを僕に? これはずいぶん、変わった形をしているね。僕が貰ってもいいのかな」
「はい、魔道具のことなら、リーディウ様が詳しいと思いましたので」
私はヒロインだけあって、魔力も強い。その魔力を使って、魔道具も作っていた。もちろん、ニホンにあった道具を元にしている。
「魔力を入れると、動き出すのか。どうやって使うのかな?」
「ええっと、よかったら放課後に教えますよ」
「ありがとう、では、放課後にグラウンドの隅の、第二倉庫で待っているよ」
リーディウ様は、その童顔で可愛らしい顔をくしゃっとしながら笑うと、私の頬にチュっとキスをした。
「えっ」
驚いて彼を見ると、にこっと笑いながら手をひらひらとさせて、既に廊下を歩いて行ってしまった。
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