星の偶像

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彼女を前にして話をしようと思えばいくらでも話したいことは口をついてでてきた。 メタセコイアの生い茂る公園の木の下で、 噴水の周りに咲く花の名前は何だと思う、とか、 寝るときの姿勢はどっち向きが好きかだとか 、 はたまた何が食べたいかだとか、その時の気分によって、選ぶ昼食のメニューくらいの話題が次々と湧いて出て、 しかも束の間(のような気がしている) だから、選んでいないメニューもまだ沢山あって、言ってみたら彼女とは、まだ何度でも食事をしたい。 そして決まってにこりと口の両端を上げてきゅるん、とした目で僕の方を見やる彼女の顔は可愛らしくて、今思うと尚更忘れがたい。 「僕みたいな不細工な男が何を言うんだって 思うかもしれないけど」 彼女が沈んでいるんじゃないかと思ったとき、僕はそう言葉を挟んで言った。励ましの言葉を。 実際僕はそれほど不細工ではない。と自分では思っているが、 一度目はその科白、さらっとした無表情で流してその後続く僕の言葉を斜めから見るような顔でふーん、と聞いていた彼女だったが 二度目はのけぞり声に出さずにハハッと笑った。多少嘲るように。 そして後に続く彼女を元気づけられるような科白を考え考え言う僕に、ふんふんと頷いて最後ににこりと口角を上げて笑みを見せた。
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